『あるキング』伊坂幸太郎

図書館にリクエストして買ってもらいました。図書館の本一番乗りって気持ち良い。
ある野球選手の伝記、というお話です。伝記の小説。です。途中途中「え?」「なに?」みたいな不思議ワールドが見え隠れしますが、伊坂幸太郎です。
その野球選手は偉大な人なのですが、輝かしい話は本当に初めだけで、あっという間に話はおかしな方向に向かっていきます。腑に落ちません。どうしてこんなモヤモヤ感の残る伝記に仕上げてしまったんだろう…と思わなくもないのですが、リアル伝記じゃないからこんなことになるのですね。
きっと、というかやはり、「悪意」的なものにはあらがえないのが世の常なのでしょうか。
しかし、何物にも揺れ動かされない主人公の超然とした態度は終始好感が持てます。世界は主人公とは別のところで回っている、みたいな印象を受けました。不遇のヒーロー。

あるキング

あるキング