『幽談』京極夏彦

怖いものとは何だろう
妻と離別した私は記憶を辿りながら、七年前と同じように汽船に乗って浜辺を歩き、侘しい岬に建つ一軒宿を訪れる。以前、私は妻とともに庭の見える部屋に泊まった。そして、月光が満ちた旅館の庭で艶めかしい女の手首を拾ったのだ。怪談よりも怪しく、奇談よりも奇妙な幽き物語たち。

京極さんワールド全開です。どのお話も何が何だかわからないものが出てきて、結局わからないままなのですが、どこかでこんな訳のわからないことが起こってるのかもね…なんて思ってしまうのは、やはり京極さんが上手だからなんでしょうね。思いっきり嘘っぽくもなくて、妙にリアリティがあって、それでいて真実を追及するのをためらわれるような、そんなお話ばかりでした。

幽談 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

幽談 (MF文庫ダ・ヴィンチ)