『九月が永遠に続けば』沼田まほかる

高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。

タイトルの意味が最後まで分からなかったのですが、一気に読み進めてしまいました。人間の弱さとか醜さとか脆さが伝わってくるのですが、きっと人間てこんな感じで不完全だったり醜くないと生きていけないんだろうな…と思います。だから逆に純粋さを持っている人が傷つきながら周りを傷つけてしまうんだねぇ。みんなが醜ければ歯車は狂わなかったのに。うーん。
純粋で脆いのがよいのか、悪いのか…。わからんな。
でも、みんながそんなに悪い状況に陥っていた訳じゃなかったんだ…と一安心しかけたところに、真実を突き付けられてハッとしました。

九月が永遠に続けば (新潮文庫)

九月が永遠に続けば (新潮文庫)