『秘密。私と私のあいだの十二話』

作家12人の短編集です。それぞれの話が、2つのサイドから視点を変えて書かれています。A面小説とB面小説。
吉田修一森絵都佐藤正午有栖川有栖小川洋子篠田節子唯川恵堀江敏幸北村薫伊坂幸太郎三浦しをん阿部和重、という豪華ラインナップです。
本の情報を先に得ていて、実物の本を手にしたときに「薄っ!」と思いました。12人、しかも両面の小説があるということは、計24のストーリーがある、のに、この厚さ!!
果たして読んでみると、一つのストーリーが4ページ弱という、超短編でした。
読んだなぁ…という実感ははっきり言ってないです。短すぎるし、なんだか短すぎる故に話が簡単にうまくまとまりすぎている感じがしました。や、それはきっと作家さんたちの腕の良さで巧くまとまっているのでしょうが。でも、短すぎて読んだ後に「だから?」と思ってしまうものも正直いってありました。
わざわざ買って読む価値は…どうなんだろう。雑誌の隅に書かれているのを、おまけ的に読む、というのが適しているような感じがするなぁ。
個人的には、有栖川有栖の「震度四の秘密」と、北村薫の「百合子姫」、阿部和重「監視者/私」が良かった。