魍魎の匣

この世には、不思議なことなど何一つないのだよ。
と言うわけで、長い間買っていたけど読まなかった『百器徒然袋――風』をようやく読み始めたので、こちらも観てみました。
映画化、という事実に先の『姑獲鳥の夏』で十分驚いたので、今回は落ち着いた気持ちで観ました。観ましたがさ、今回は関口を椎名桔平が演じているのです。椎名桔平とか堤真一とか、阿部ちゃんとかみんな素敵すぎるのですが、この世界観においては阿部(榎木津)以外は違和感が。椎名桔平の関口なんて妙に明るく、人付き合いもとってもお手の物のような印象を受けました。えー。榎木津もやたらと常識人だったし。そもそもあの分厚い原作を2時間あまりの映像に収めてしまうこと自体無理と言えば無理な話ですよね。今回は例えていうならば、ゆで卵の白身だけを食べている気分になりました。まぁ概略はそうだろうけども、もっとあったじゃない、あのエピソードとか、あのシーンとか。という気持ちでモヤモヤするのです。
所詮原作ありきの映画はこんな物ですよね。きっと10月スタートの日テレアニメの方が忠実に描かれるのではないかと思う。えー、アニメ化ぁ!?