『6ステイン』 福井晴敏

パラパラとめくった感じがスタイリッシュだったので『陽気なギャング…』ぽいものかと期待して買いました。そして読みました。
読みましたらば、全く違ったお話で、防衛庁がどうたら工作員がどうたら…と私の不得手なジャンルのお話でしたが、なんだか人情味もあふれていて、それぞれのお話に魅力がありました。秘密部隊とかそういう知識のない私でも、普通に読むことができました。

6ステイン (講談社文庫)

6ステイン (講談社文庫)

決して消せない心の染みがある
人生は、終盤にもう一度仕掛けてくる。

工作員。スリ師。
非情な世界に生きる情深い人間たち。
彼らが落とした6つの染み(ステイン)が、心を熱くする。ヒーローだけが主人公じゃない。

愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。著者が織り成す切なく熱い人間讃歌、人生を戦うすべての者へ。

読み終えてから知りましたが、この作家さんは『亡国のイージス』とか『終戦のローレライ』の作者さんなのですね。有名人だ。