『プラネタリウムのふたご』 いしいしんじ

ゆっくりゆっくり読みました。じんわりじんわり物だね。
プラネタリウムで育てられた双子が数奇な運命で別々の人生を送り、それぞれが大きな出来事に関わりながら周りの人達と温かい交流を育んでいくお話です。
いつの時代のどこの国のお話だかわからないのですが、そんなことはどうでもいい気持ちになるお話です。決して恵まれている訳ではないのですが、それぞれがそれぞれの胸の中に幸せや満足感を持っていて、多くを望まないその姿勢が新鮮でした。
途中、驚きの展開に不安を感じましたが、そんな展開の中でも悲しむ人はなく、幸せを掴んで…最後は…最後は…なんだか切なすぎる終わりですが、誰を恨む訳でもなく誰が悪い訳でもなく、それでも星は変わらず輝いているのです。
じんわりほんわかです。

プラネタリウムのふたご (講談社文庫)

プラネタリウムのふたご (講談社文庫)